林檎園のこと

にしむら林檎園は、長野県北部のりんごの町、飯綱町にあるちいさなりんご農園です。
飯綱町は、その豊かな土壌、水源、寒暖差のある気候から、りんご栽培の適地として古くからりんご栽培がおこなわれています。
にしむら林檎園は、そんな飯綱町の中でも標高の高い「高岡」地区にあります。高岡地区は飯縄山(標高1927m)の東麓にある、標高600m前後のエリアです。

飯綱町の中でもひと際、雪が多く冷え込みも厳しい高岡地区は、冬の積雪でりんごの木が倒れてしまったり、春先の冷え込みで実がつかなかったりと必ずしもりんごを育てやすい地域ではありません。
それでも、高岡のりんごは美味しいです。
りんごは昼間に日光を浴びて糖分を生産し、夜間には冷えて糖分が凝縮します。飯縄山麓の森が育んだ土壌、雪解け水からたっぷりと養分を受け取り、収穫期の強い冷え込みによって甘味となって凝縮されていく。
この気候風土が、高岡の実が引き締まった、味の濃いりんごを生み出しています。

私たちのりんごの樹は、先人たちが大切に育ててきた樹齢数十年の古木が中心です。
りんごの古木は、長い年月の中で病気で大きな枝を失っていたり、幹の中が空洞になっていたりして、木の管理が難しいのが難点ですが、それでも毎年、力強くたくさんの枝と葉をつけ、美味しい果実を実らせてくれます。

にしむら林檎園は、夫婦ふたりで運営しています。

園主その1、にしむらさとしです。
京都で生まれ育ち、自然好き、山好きが高じて信州に移住し、さらにそれをこじらせてりんご園まで始めてしまったという、まあまあの変わり者です。
長所は、細かい手仕事も黙々とこなすところ。
短所は、ときどき大きなうっかりミスをやらかすところ。

園主その2、にしむらえりこです。
兵庫県で生まれ育ち、配偶者の気まぐれな移住やりんご栽培にノリノリでついてきてしまう、こちらもまあまあの変わり者です。
長所は、どんなことでも丁寧にやる几帳面なところ。
短所は、ときどき考えるのが面倒になって「まーいっか」で処理してしまうところ。

こんな二人が、この土地で、受け継いだ木々を大切にしながらりんごを育てています。

皆さまに少しでも美味しいりんごをお届けできるよう、一つひとつの仕事を丁寧に、真摯にりんごと向き合っていきたいと思っています。